GT-Roller M1.1の有効活用

雨の日は外で走ることは厳しい。
狙ったパワーでストップすることなく漕ぎ続けたい。

自転車に乗る人間にとって、ローラー台はそんな時に活躍する機材である。
グロータックが販売しているローラー台GT-Roller M1.1は、それらの需要だけでなく、様々な用途で活用できるマルチなトレーナーである。
パワートレーニングはもちろん、ペダリング確認機能のPTZ(Pedaling Test Zone)、コンパクトで持ち運び可能な設計、GT-Roller M1.1ならではの有効活用方法を紹介したい。

GT-Roller M1.1とは

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GT-Rollor M1.1

GT-Roller M1.1は、屋内でも屋外でも使用できるマルチなローラー台だ。
固定ローラー台ながらフロントフォークを固定するCarbon Motion Controllerがしなることにより実走感を再現し、ウォーミングアップに最適な低負荷からパワートレーニングにも十分な高負荷も対応する。
折りたたむと世界最小クラスまでコンパクトになり、重量も約7kgと軽量で持ち運びにも最適だ。
後述するペダリング確認機能「PTZ (Pedaling Test Zone)」が搭載されており、様々な活用が出来るローラー台である。

詳細は下記のバナーにリンクされている特設ページを確認してほしい。

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PTZの活用方法

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GT-Roller M1.1の負荷調整部分。
負荷3にすると、30km/h以下の低速回転時にはPTZ(Pedaling Test Zone)となり、ペダリングスキルを体感できる。

PTZ(Pedaling Test Zone)はペダリングスキルの確認と向上をアシストする機能だ。慣性(実走でいう惰性走行)による誤魔化しを排除し、自身のペダリングスキルが分かりやすく体感出来る。
PTZは負荷レバーを3の位置にし、ギヤをインナーにして軽めのギヤで回し、ホイールスピードが30km/h以下の場合に有効になる。PTZで意識なしにペダリングした場合、上死点、下死点でペダルが引っかかる感じになり、ギクシャクしたペダリングになる。下死点での踏みすぎ(タイミング遅れ)バックを踏む(引き足が使えていない)等のペダリングを感じることが出来る。

ペダリングモニター(Pioneer)の登場により、ペダリングスキルへの関心は大きくなっている。
ペダリング改善へのアプローチに悩んでいるサイクリストが非常に多いことを考えると、少しでもアプローチへの手掛かりになる物を提供するべきでは無いかとグロータック考えた。
PTZは実走状態とはかけ離れたフィーリングである(PTZ以外の領域では通常のフィーリングに戻る)。
通常に使用すれば「出来が悪いローラー」として捉えられてしまうものであるが、ローラーは実走では得られない走行状態を生み出すことが出来る機材でもある。
特殊な機能があるローラーもサイクリストに新たな価値を提供できるはずだ。

グロータックとしても、サイクリストの利用事例や専門家からのPTZのレポートなどを提供し、多くのサイクリストのトレーニングに貢献したいと考えている。
今回は一例として、PTZを使用したコメント紹介する。

自転車コーチ 須田晋太郎さんのコメント

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●須田 晋太郎
・パイオニアペダリングモニターアドバイザー
・日本スポーツ協会自転競技上級コーチ

ホビーレースから実業団へ進み、国内トップカテゴリーでロード選手活動を行い、競技引退後はカイロプラクター、バイクフィッターとして国内ツアーに帯同しプロ選手のコンディショニング、フィッティングに関わる。 現在はプロのコーチとして、身体作りからライディングまで幅広く指導を行う。

GT-Roller M1.1にはPTZと言う負荷モードが搭載されています。負荷をPTZにセットし、比較的低速度で漕ぐ事でペダリング技術に作用する負荷が発生します。
効率的なペダリングにはスムーズかつ、比較的一定の入力が求められますが、多くの場合ペダリングは一定では無く、踏み込みが強くなりがちです。それを実走行では体感し難いため、ペダリング技術を意識したトレーニングを行わないと、技術向上が難しいです。
このPTZでは、ただ踏み込むペダリングを行うとスムーズに回りません。PTZでは独特な負荷の掛り方をしますので、意識的にスムーズにペダリングを行う事が求められます。
スポーツにおける技術は正しい動き、イメージを繰り返し行う事で身につくものです。頭で理解しその通りに身体で感じることが重要です。
バイクが効率良く前進する為のペダリングには多くのポイントがあります。その一つが上死点付近からペダルに踏力をかけ始める事です。上死点付近から強い踏力を発生する事で、一踏みの中で長い時間推進力を発生することが可能となります。
その為には上死点の位置を脚で感じ、加速が必要な時には正しいタイミングで踏み始めることが重要となりますが、この踏み始めの位置を正しく感じる事が難しく踏み遅れる傾向にあります。
PTZでトレーニングを行う事で、より早いタイミングで踏み始める感覚を感じることができる様になるでしょう。踏み遅れに悩むに人には効果的です。
また、重いギアで踏みつける様なペダリングを行う人は、スムーズに加速が出来ない為に加速で遅れがちです。PTZでこの様なペダリングを行うとペダルがスムーズに回らない為、違和感を覚えます。
PTZで引っかかる事なく、スムーズに回る動きが加速時に必要となるペダリング技術の一つです。重いギアに頼って加速で苦しくなる人にも効果があると考えます。
上記は効果の一例ですが、PTZはペダリングの基本である"回す動き"を体感させ、身に付けるサポートをしてくれるでしょう。
このようにPTZでは今まで体感し難かった、踏み方による差を体感させてくれる面白い仕組みと言えます。その為、ウォームアップ時やスキルアップドリルとしてPTZを使う事で、スムーズに回すペダリングを強く意識出来るでしょう。

※感覚は人によって変わるため、効果の出方は人それぞれ違う可能性がございます

GT-Roller M1.1についてのコメント全文はこちら

 

東京ヴェントス監督 二戸康寛さんのコメント

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●二戸 康寛
・東京ヴェントス監督
・日本スポーツ協会自転競技認定コーチ
・全日本自転車競技連盟ロード部会強化支援スタッフ

日本鋪道レーシングチーム(現:NIPPO・ヴィーニファンティーニ)に所属し、国内実業団レースや、国内外のUCIレース、ナショナルチームとして海外遠征を経験、5年間のプロ活動を行う。
その後、都内の有名ショップなるしまフレンドのスタッフとして選手活動を行う事10年以上、仕事の傍ら国内UCIレース(TOJ、熊野、北海道、沖縄)に参戦し、サイクル業界について、チーム活動について多くを学ぶ。
2014年2月、東京発の地域型レーシングチーム「東京ヴェントス」設立、運営の傍らサイクルゲート多摩川でフィッターとして従事。

GT-Roller M1.1に搭載されているPTZ(Pedaling Test Zone)は、ペダリングスキルを体感できる画期的なツールです。
手動負荷ユニットを最も重い状態「負荷3」に設定したときに得られるこの機能は、一見ぎこちないだけの走行フィーリングに感じられます。 しかし、実は、そのぎこちなさがペダリングの回転スキルに有効とされる接線方向の力となります。
ペダリング(回転運動)で最も効率的に自転車を前に進ませる推進力を生み出すのは、ペダルが一番前にある状態、通称9時の位置と呼ばれるところで、どれだけ強く、速く、真下に、踏み込めるかが重要と言われます。
しかし、ペダリング時に作用する力はそれだけではなく、ペダルの回転軌道360°全ての位置で、どの方向に、どれくらいの力が作用していたかが、ペダリングの効率に影響するというのは、多くの人が見たり聞いたりしたことがあると思います。ペダリング時に作用する力が、ペダル(クランク)の回転方向に対して接線方向に働けば、効率良く自転車を前に進ませる推進力に代わり、力が接線方向に働いていない、または力が弱い場所では、上手にペダルを回せなかったり、ひっかかる場所が出てきます。このギクシャク感が、GT-Roller M1.1のPTZ機能であり、高負荷であればあるほど顕著に現れ体感的に自分のペダリングスキルを感じ取ることができます。
PTZには、ローラーのフライホイール効果や、負荷特性が密接に関係していますが、詳しい機能については、GROWTAC社のホームページをご参考ください。
PTZ(負荷3での低スピード運動時)でギクシャク感を無くすスムーズな回転を意識することで、今まで使われていなかった筋肉を導引し、効率の良いペダリングへの矯正として活用できますが、他にもこの機能を利用してペダリングの左右差の改善にも貢献できるのではないかと考えています。
実際に私は、左に比べ右の大殿筋が発達しており、内側広筋も左が小さく、主観的に左の踏力が弱いと感じています。これに付随して、ペダリング時の力の入力方向も左右差があり、違和感が絶えない状態で自転車に乗っていました。このような左右差を感じてる人は少なくないと思います。
そんな私が、PTZで取り組んでいるのは、ヴィンディングではなくフラットペダルでのペダリングトレーニングです。
引き足の使えないフラットペダルでは、上死点から下死点にかけて、左右交互に、できる限り左右均一に踏み込まないと、リズムの良いペダリングができません。PTZでは、回転数を遅く保ち、どのようなタイミングで、どこの筋力を使って踏み込んでいるのか意識しやすく、使えていない筋肉を強化するペダリングが可能です。これを続け、左右の筋力差を少なくすることで、前よりも違和感がだいぶ少なくなったのを体感しています。ただし、ヴィンディングシューズを使用した場合は、360°の回転運動になるため、引き足や、上死点、下死点での入力方向も影響するため、全体的な足の運びを意識する必要もあります。
このようにPTZは、ペダリング効率の改善だけではなく、左右の踏力や、ペダリング力全体のバランスアップにも効果が期待できると考えられます。

 

 

今後、様々な専門家やサイクリストからのコメントも更新予定

ウォーミングアップのススメ

レース前にすることは何だろうか。
会場までの車移動、エントリーの手続き、自転車のチェック、補給ほか、レース前に行うことは意外とたくさんある。
朝も早いことが多く、前日が遅くまで仕事だった場合には少しでも睡眠を取りたいのが正直なところだ。
慌ただしい朝になることが多いレース前だが、レースに向けて練習してきた成果を100%出すために、グロータックはウォーミングアップを行うことを奨めたい。
なぜなら、ウォーミングアップには、大きく3つの意味があるとグロータックは考えているからだ。

・体を温めること
・体の使い方を日常から自転車へ変化させること
・精神を日常から勝負の世界へと変化させること

この3つが行われることで、いままでの練習成果を十分に発揮できるようになるという思想の元、GT-Roller M1.1は設計されている。
「頑張ってきた選手に、100%の力を発揮してもらいたい」
そんなグロータックの想いが詰まった商品が、GT-Roller M1.1である。

「体を温めること」

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Jプロツアーの選手も、レース前にはウォーミングアップを行っている。(ヴィクトワール広島)

運動前に体を温めること。
ウォーミングアップの一番の本質はここにある。
本格的に体を動かす前に体を温めることにより、急激に負荷を与えたときに発生する怪我の防止はもちろん、スタート直後のパフォーマンスアップが見込める。
特にアマチュアのレースではヒルクライムやクリテリウム等、距離が短く最初から高強度で臨むレースが多いため、ウォーミングアップは必須といってもよい。
ウォーミングアップは選手ごとの体質や好みで各々違うメニューを行う場合もあるが、一般的なウォーミングアップは下記の流れで行う。

1.負荷は軽めに、弱い強度から高ケイデンスで体を温める
2.レースに使う強度をいつでも出せるよう、レース想定の強度まで上げ、体に火を入れること
3.心肺に急激な変化を与えないよう、徐々にウォーミングアップを終えること

これらをレース内容にもよるが、30-60分程度かけて行うことが多い。
一般的には短時間のレースや気温が低い場合はウォーミングアップは長く行い、長時間のレースや気温が高い場合はウォーミングアップは軽く行う。
GT-Roller M1.1は、幅広いウォーミングアップメニューを可能にする、高回転に最適な超低負荷から必要十分な高負荷にも対応しているため、ウォーミングアップに対して不足を感じることはないはずだ。

しかし、ここで問題になるのがウォーミングアップの場所である。
レース会場では、実走でウォーミングアップが出来る場所がないことも少なくない。実走ができる環境だったとしても、レース会場から離れて行うことはトラブルが起きた時を考えると不安があるというのが、正直なところだろう。

そこでGT-Roller M1.1は様々な状況でも安定してウォーミングアップが出来るよう最適に作られている。
わずか7kgの軽量かつ世界最小クラスのコンパクト設計。車内にスペースを取らず、レース会場での持ち運びも可能。
水平の取れない場所でも、前足のアジャスターを調整して水平を取れば、違和感のないウォーミングアップが可能となる*。

*砂利が多い場所や泥地、極端に凹凸がある不整地は、異物がローラーユニットに入る等、故障の原因となるため、舗装路や凹凸の少ないフラットな未舗装地を選んでほしい

「体の使い方を日常から自転車へ変化させること」

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フロントフォークを固定するC-MCがしなることにより、実走と同様に上半身を使うことが可能。

より効率的にウォーミングアップを行うためには、自転車のためのウォーミングアップが必要である。それには、実際に自転車に乗るのと変わりのない筋肉を使うことがことが重要だ。
通常の固定ローラーだと自転車が全く動かないほどガッシリと固定されるため、足の一部の筋肉のみを使った特定のペダリングしかできない。
そのため、上半身のウォーミングアップは厳しいことに加え、足に関しても様々な筋肉を使ったペダリングが難しく、自転車に乗るためのウォーミングアップとしてはアンバランスになりがちである。
それがレースで走るにあたっての「違和感」となってしまったら、逆効果になりかねない。

GT-Roller M1.1ならば、C-MCによって自転車が自然に揺れる。実走のようにバランスを取るための筋肉を使うため、体幹等の上半身を使ったウォーミングアップが可能となり、自転車に乗るための筋肉をくまなく温めることが出来る。
また、ダンシングも可能なため、シッティングの状態の筋肉だけでなく、ダンシングにおける筋肉のウォーミングアップも出来ることもGT-Roller M1.1の特徴といえる。

また、「PTZ」をウォーミングアップに活用することも可能だ。
前述の通り、自転車に乗るために必要な様々な筋肉を刺激し温めることが望ましい。
「PTZ」はその独特な負荷特性により、きれいなペダリングを意識して筋肉を使わなくてはならないため、日常に使用する筋肉とは違う、自転車のための筋肉を刺激しやすい。
気持ちよく足を回転させるだけでなく、日々意識してきた足の使い方を確認する。そういったウォーミングアップにも利用することが出来る。

「精神を日常から勝負の世界へと変化させること」

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レースに向けて、ウォーミングアップに集中する選手。

ウォーミングアップは、日常から勝負の世界へと気持ちを変化させる入り口でもある。
自転車を漕ぎながら、作戦やレース展開を思い描いたり、自分の筋肉と対話するなど、日常とは違う精神の状態へと持っていくのである。
レース当日、ウォーミングアップで今日初めて自転車を漕ぎ始めたとき、その時の足のかかり具合で足の調子を見てしまうのは、選手によくあることだ。
それが、たとえ体が温まっていない状況で負荷の重いローラーを回してしまったときでも、「今日は足が重い」と思ってしまうことさえある。

そこで、GT-Roller M1.1は最小負荷をあえてかなり軽くしている。
ウォーミングアップで重要な高回転メニューがしやすいということはもちろん、このような選手のセンシティブな面に対して、余計な雑念に捕らわれない「軽いひと踏み目」が出来るように設計しているのである。
軽く足を回しながらウォーミングアップをすることによって、レースに対する様々な不安を取り除き、日常を忘れ自分の体と自転車と向かう環境を作ることが出来る。
ウォーミングアップは、勝負の世界へと精神を移行させるためにも、重要な要素である。

ウォーミングアップを通じて、グロータックは頑張る選手の100%の実力を発揮できるよう、サポートしていきたい。

リモートレバーを活用する

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ハンドルに取付が可能のため、手元で負荷調整が出来るようになり、幅広いトレーニングが用意となった(写真は試作機)

2019年5月に、GT-Roller M1.1の負荷が手元で変更できる「M1.1リモートレバー」を発売する。
今まで負荷を変えるには一度自転車から下りて手動負荷装置を操作するか、GT-ePower-Mを別途取り付けるしかなかった。
特に、手動負荷装置の場合は、一度自転車から下りるため、最大負荷にした場合必ず「PTZ」を経由することになり、独特な負荷特性になってしまう。
そこで、リモートレバーでは従来の4段階の負荷設定で刻んでいたが9段階まで増やし、手元で細かく調整できる。そのため、ホイールスピードを落とすことなく様々な負荷調整が可能となった。
ギアで負荷を変えるのではなく、リモートレバーで負荷を調整することによって、実走感を保ったまま負荷調整をすることが可能となり、幅広いトレーニングやウォーミングアップが可能となる。